vino con vino

スペイン映画。名作。

なんと、BSプレミアムで「エル・スール」を放映していました。
スペインの名作と呼ばれる映画。やるなNHK。

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エル・スールは、ヨーロッパ芸術を凝縮して、
美しい部分だけ抽出して結晶化させたような作品。

光と影。控え目な色調。ああもう大好き!


8歳の少女、エストレージャ。
父は仕事を転々とし、家族はスペイン最北端の街にたどり着きます。

エル・スール(南)なのに最北端。


祖父と絶縁して以来一度も故郷を語らない父、
その故郷からやってきた祖母、そして父の乳母。

乳母ミラグロスの話す訛りで
父の故郷がスペインの南、セビージャであることがわかります。


物語は淡々と進みます。
なんにも説明してくれないのでぼんやりしていると
静かで美しい作品。で終わってしまうのですが、
そしてそれだけでも十分と思わせる映像美なのですが、

時代を考慮すると、スペイン内戦とからみあった
深い背景が見えてきます。


舞台となった1957年のスペインは、
スペイン内戦に勝利したフランコの独裁を発端に
社会不安が広がりはじめる時期。

祖父と父の絶縁も、単なる親子喧嘩などではなく
ファシズムと自由・社会主義、
政治思想の食い違いからはじまったもの。
修復の余地がないことを暗示しています。

ファシズム勝利の後、
社会主義者は北へ北へと追いやられ
エストレージャの家族も最北端の、
古城と川に囲まれた寂しい街にやってくるのでした・・・


・・・・とそんな説明がいっさいないので
出演者の言葉から推測するしかないんですけど(汗)

内戦のこと勉強不足なので、
まだ私の気づいていない大事なことが映画の中に潜んでいそう。
もう一度見たら、もうひとつ気がつくかな。

ラテン系でお気楽そうに見えるスペインだけど(失礼)
歴史は多くの犠牲を払って今のスペインがあるのだと
やっぱり忘れちゃいけないな、とあらためて思うのです。
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by stellabird | 2011-12-27 20:09 | 今日のこと